【名古屋】原状回復工事は誰が行う？貸主・借主の負担範囲を解説

2024年12月21日更新

賃貸物件の退去時に行われる原状回復工事。誰が費用を負担し、誰が手配するのか、貸主と借主の間でしばしば疑問が生じます。この記事では、原状回復工事を行うのは貸主なのか借主なのかを、居住用・店舗・オフィスの場合に分けて詳しく解説します。

原状回復工事は誰が行う？

原状回復工事を行うのは、物件の種類と契約内容によって異なります。以下で詳しく見ていきましょう。

居住用物件の場合、原状回復工事は貸主（オーナー）が行うのが一般的です。ただし、費用負担については、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」に基づき、通常損耗（経年劣化や通常の使用による損耗）は貸主が負担し、借主の故意・過失による損耗は借主が負担することになります。

具体的な例としては以下の通りです。

ポイント：どこまでが通常損耗で、どこからが借主の負担になるのかは、個々のケースによって判断が難しい場合があります。契約書の内容をよく確認し、不明な点は管理会社や大家さんに問い合わせるようにしましょう。

店舗やオフィスの場合、原則として借主（テナント）が原状回復工事を行います。退去時に、借りた状態に戻す義務（原状回復義務）が借主に課せられているためです。ただし、契約内容によっては、貸主が一部または全部を負担する場合もあります。

また、店舗・オフィスでは、スケルトン工事（内装を全て取り払う工事）が必要になるケースが多く、居住用に比べて工事規模が大きくなる傾向があります。

居抜き物件とは、前のテナントが使用していた内装や設備などをそのまま引き継いで使用する物件のことです。居抜き物件の場合、原状回復工事は不要となるケースが多いですが、契約内容によっては一部工事が必要となる場合もあります。

原状回復工事を業者に依頼する際には、以下の点に注意しましょう。

指定業者の有無を確認：特に店舗・オフィス物件の場合、貸主側が指定業者を指定している場合があります。契約書を確認し、指定業者がある場合は、その業者に依頼するようにしましょう。
複数の業者から見積もりを取る：指定業者がない場合や、指定業者以外にも見積もりを取りたい場合は、複数の業者から見積もりを取り、比較検討しましょう。
見積書の内容をよく確認する：見積書には、工事内容、使用する材料、費用などが明確に記載されているか確認しましょう。
実績と評判を確認する：業者のホームページや口コミサイトなどで、過去の施工実績や評判を確認しましょう。

原状回復に関するトラブルを避けるためには、契約書の内容を事前にしっかりと確認しておくことが非常に重要です。特に以下の点に注意しましょう。

A. 貸主との交渉次第となりますが、分割払いが認められるケースもあります。事前に相談してみましょう。

A. 立会いを行わなかった場合でも、原状回復義務は発生します。後日、貸主側から請求される可能性があります。

原状回復工事は、物件の種類や契約内容によって、貸主または借主が行うことになります。契約書の内容をよく確認し、業者選びにも注意することで、トラブルを未然に防ぎ、スムーズな退去・入居につなげましょう。